この記事では日頃なかなかスポットライトの当たらない手術室看護師について記していきます。
興味を持って記事を見てくださった方の役に立てることを願っています。
手術室看護師とは
手術室看護師はその名の通り、手術室で働いている看護師のこと。
医療職者のなかでは「オペ室の看護師」を略して”オペ看”ということが多いです。
最近は医療ドラマの影響で、手術室にスポットがあたることも増えてきました。
手術シーンで医師にメスを渡したり、よく見ると手術用ガウンを着ずに部屋の中をウロウロしている人がいますよね。
その人たちが手術室看護師です。
手術室看護師の役割
看護師としての役割は大きく分けると3つです。
患者の代弁者
絶対に忘れてはいけないこと、それは医療は患者が中心であるということです。
ある例を考えてみましょう
約7時間の肝臓手術が終了しました。腹部にメスを入れており、術後の疼痛が予想されます。
麻酔覚醒後、患者さんが言った言葉は「肩が痛い…」。手術前、肩や腕などの可動域は問題ない患者さんでした。手術中は両手を真横に開いたような体位でした。
いったい何が起きたのでしょう。
※空想の設定です。
みなさんも自分が手術室にいると思って考えてみてください。
危険を予測するのは看護師として大切な力です。
なにが起きたのか…
例えば、開いた腕に医師の体が当たって手術台から腕が落ちていることに誰も気づかなかった、ということも考えられます。
※空想の設定です。
極度の緊張感のなかで手術を行っていると、どうしても術野や自分の手技に集中してしまい、周りが見えなくなってしまうんです。
そういった時に気付くことができるのは、看護師や麻酔科医師です。
ほとんどの手術は全身麻酔で行われるため、手術中に患者が自分の意思を訴えることはできません。
”7時間も腕が手術台から落ちたまま自分では動かせない”という状況が辛いことは、簡単に想像ができるでしょう。
患者の声にならない声に耳を傾け、手術に関わるメンバーに伝えていくことも大切な役割です。
手術・麻酔の介助

手術室看護師が働くなかで、”手術・麻酔の介助”に多くの時間を費やすことになります。
器械出し看護師
手術の介助を行うのは器械出し看護師です。
滅菌された手術器械を医師に渡すのが仕事。
手術の進行を読み、使う手術器械を前もって準備してスムーズに手術が進むよう心掛けています。
また、手術で使った器械やガーゼの体内遺残がないように破損がないか確認したり、ガーゼの枚数を数えたりすることも重要な仕事です。
外回り看護師
麻酔の介助をメインで行うのは外回り看護師です。
麻酔導入と覚醒、手術体位の確保、看護記録などやることがいっぱい。
加えて手術に必要な物品を清潔野へ提供するのも外回り看護師の仕事です。
多くは経験豊富な看護師が担当することが多く、経験が浅い看護師は先輩と二人体制で担当することが多いです。
手術用物品の管理

手術で使う器械は、滅菌されています。
高温の蒸気やガスなどが出る特殊な装置を使って滅菌します。
最近はこの業務を外部委託することもありますが、緊急で行う手術などの場合は看護師が器械を滅菌することもあります。
その他にも、滅菌されたガーゼを入れたパックの期限切れや破損を確認するのも重要な仕事です。
まとめ
今回は、なかなかスポットの当たらない手術室看護師について解説しました。
勉強中の看護学生やこれから手術室看護師を目指したいと思っている人の助けになることを願っています。
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