この記事では、知られざる外回り看護師の仕事をご紹介します。
看護学生やオペ室経験の少ない看護師でもイメージしやすいように、今回は入室から手術開始までに焦点をしぼって詳しく解説していきます。
実習や研修時の注目ポイントもまとめていますので是非参考にしてください。
患者搬入

病棟看護師とともに患者が入室してきます。
まずは患者の氏名や手術部位の確認を患者本人に確認していきます。
この際、病棟Nsも交えて確認することで患者誤認や手術部位の誤認の予防に努めます。
次にバイタルなどの患者情報、持ち込みの薬品等の申し送りを受けます。
発熱がある場合、感染症などのリスクも考えられるので医師やリーダー看護師に報告しそのまま入室してOKか相談することもあります。
ここに注目!
- 入室時に患者に確認している内容
- 病棟Nsから申し送られている内容
医療職者間の申し送りは、最小限の内容を速いテンポで話していることが多いので最初は何を言っているのか分からないこともあるでしょう。
まずは何を話しているのかを知り、なぜその情報が必要なのかを調べ学んでいきましょう。
”申し送りを受けたからOK”とするのではなく、内容から異常と正常が判断できることを目指しましょう。
静脈ラインの確保
病院または病棟によって、静脈ラインの確保は手術室入室後に行うこともあります。
基本的に手背(手の甲)の血管へ穿刺します。
血管外漏出がないか・滴下は良好かをしっかり確認しテープで固定していきます。
ここに注目!
- 静脈ライン確保の物品
- 穿刺後、何を確認しているか
- テープでの固定の仕方
麻酔薬の投与を行っていく重要なルートになるので、術中も刺入部の観察が大切になってきます。
麻酔導入

確保した静脈ラインから鎮痛薬・鎮静剤・筋弛緩薬を投与していきます。
薬剤には副作用があります。自身の施設で使っている薬剤については、効果に加えて副作用についても知っておきましょう。
また薬剤によっては投与時に血管の痛みを感じることもあるので、患者への声掛けも看護師としてできる仕事です。
ここに注目!
- 薬剤の効果と副作用
- 投与時の麻酔科医師との会話
- 医師・看護師の患者への声掛け
薬剤の投与量の間違いがないよう、麻酔科医師と看護師の間でも声掛けを行い、Wチェックをしていきます。
患者の不安軽減のための声掛けも行っているので、実習の時などは注目してください。
挿管の介助

麻酔導入が完了したら、挿管を行います。
外回り看護師は麻酔科医師が挿管しやすいように介助を行います。
ここに注目!
- 挿管に必要な物品
- 介助の方法
- SpO2、カプノメーターの波形
カプノメーターの波形の正常と異常を知りましょう。
そして異常な波形があった場合どう対応するかまで準備しておくことが大切です。
また心臓や血管系に疾患がある患者では、看護師が血圧を読み上げながら挿管することもあります。
”いつもと違うことをしているな”と感じたら、その理由を確認しましょう。
知らないことを質問できるのは看護学生や新人看護師の特権と言っても過言ではありません。
尿道カテーテル挿入
オペ看は病棟看護師に比べて、圧倒的に尿道カテーテルを挿入する機会が多いです。
ポイントとなるのは”清潔・不潔”。
まずは基本に準じた手技を覚えましょう。
※泌尿器科や婦人科の手術では医師が挿入することもあります。
ここに注目!
- 尿道カテーテル挿入の手技
- 挿入時、挿入後の観察ポイント
挿入時の抵抗はないか、尿は出てきているか、尿の色は正常かなど観察項目はたくさんあります。
何かおかしいかも…と感じたらすぐに先輩や医師に相談しましょう。
あなたの一言が患者さんのためになることがあります。
手術体位の確保
手術は仰臥位、側臥位、腹臥位など色々な体位で行われます。
必要であれば人員を確保して、安全に手術体位を確保していきましょう。
ここに注目!
- 手術体位の取り方
- 心電図モニターなどの位置
手術体位の確保は、外回り看護師の仕事の中でも難易度が高いです。
体位の確保が不十分だと術後の皮膚トラブルや神経障害に繋がってきます。
速さと丁寧さが求められるので、何度も繰り返し体に染み込ませていかなくてはいけません。
実際に自分が手術台に乗って体位を取ってみることで、”どんな姿勢が楽か・苦しいか”が分かります。
高齢の患者さんは可動域も狭くなってくるので、そういった点も含めて体位を確保していきます。
まとめ
患者入室から手術開始までの中でもやることが盛りだくさんですね。
最初は流れや手技を覚えるので精一杯だと思いますが、意味を知ったりモニターの見方をしることで、自分に出来ることの幅が広がっていきます。
そして必ずその力を必要とされる場面がやってくるので、その日に向けて少しずつ進んでいきましょう。
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