この記事では、器械出し看護師の勉強方法として「オペノート」を紹介します。
私も実際にやっていて一番効果があったと思える勉強法です。
はじめに
オペノートとは、手術で器械出しを行った後に復習として書く勉強ノートです。
オペ看として上達する一番の近道は“経験”。
しかし、一度に経験できる手術には限りがあります。
そこで、頭の中で復習し経験値を倍増させていこうという作戦です。
なぜオペノートを書くのか
オペノートを書く一番の目的は、手術の振り返りを通して理解を深めることです。
手術に入るうえで一番理解しておかないといけないことは、手術の流れを把握しておくことです。
どういう順番で手術が進むのか、どのタイミングで何が必要なのか。
実際に手術に入ったことがあれば共感できるでしょうが、その時々で必要なものが変わったり、手術の流れが変わることは日常茶飯事。
なんとか追いつこうと、Drの指示するものを次から次に手渡す。
気が付いたら手術終了。
最初の頃は、こんなことの繰り返しです。
自分ではあんなことがあったな、と思っていても、実際に紙に書いてみると「あれ、この時どうしたっけ?」ということが起こります。
このようなイレギュラー時にどう対応できるかがオペ看の腕が試される場所になってきます。
つまり、知識としての流れを身に着けるためだけではなく、緊急事態やイレギュラーに強くなるためにオペノートを書くのです。
必要な物
私はA5のルーズリーフを使っていました。
診療科ごと、術式ごとに分けておくと、あとで見返す時に使いやすくなります。
ノートのサイズは個人的な好みなので、自分の好きなものを使ってください。
書く内容
では、具体的な内容を紹介します。
記憶を頼りに書く
まずは、何も見ずにその日担当した手術の流れを最初から最後までノートに書きだします。
合わせて、どんな器械や物品を使っていたかも書いていきましょう。
Drの癖や好みも書けるようになると良いですね(閉創の針糸は何を使っているかなど)。
少し考えて思い出せない時は、いったん空白を開けて、分かることから再度書き進めていきます。
最初の皮切~閉創まで何も見ず自分の記憶を頼りに書ききってください。
時間が空くほど記憶が薄れていくので、その日のうちに書くことをおすすめします。
手順書を確認
一度自分の記憶を頼りに書ききったら、自分の施設で作られている手順書などを見返して、自分の記憶に間違いはないか確認してください。
この時、自分の記憶ではわからず空白にしていた部分は特に注意して読み返しノートに追記します。
自分の頭に叩き込む気持ちで!
根拠を含めて
イレギュラーな流れがあった場合、なぜそうなったのかを考えたり調べたりしましょう。
自分の中で根拠をもって考えられたことは、記憶として定着しやすいです。
分からない部分があれば、同期や先輩にも聞いてみると良いです。
Drに聞くことができれば、正確な根拠を知ることが出来ます。
周囲からの言葉
一緒に入った先輩や医師から言われたこと、アドバイスはメモとして残しておきましょう。
手術中に使われていて意味が分からなかった言葉なども同様です。
働きながらの勉強はとても大変なので、時間があるときに読み返して調べておきましょう。
またDr同士の会話の中には、自分の成長に繋がるヒントが隠れています。
自分には関係ない、と思わずに耳を澄まして聞いてください。
そうすることで、手術の展開にもついていきやすくなります。
+α
自分の器械出しについて書くだけでも良い勉強になりますが、同じ術式で先輩が器械出しをしている時も勉強のチャンスです。
器械の並べ方や準備のタイミング、Drとの声掛けなど気づいたことがあればノートに追記しておきましょう。
まとめ
人によって忘れやすいポイントや苦手なことは違います。
決まっている手順書だけを頼りにするのではなく、自分オリジナルの手順書を持っておくことは精神的な安心へと繋がるのでおすすめです。
最後に、これは先輩の受け売りですが、「同じ術式でも、同じ手術はひとつとしてありません。」
一度の手術から学べるだけのことを学んでください。
読んでくださった方が理想とするオペ看に近づくお手伝いができたことを願っています。
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